02.24
百聞は一見に如かず─本当にゴミ屋敷でした
上京の真の目的は、心療内科で本格的な心理療法を受けることによって、病気を治すことだった。だがそれは、目論見どおりにはゆかなかった。
病気の症状は改善されるどころか、却って悪化してしまったのだ。
そのため、アパートでの暮らしぶりは、年々悪化してゆき(当時は、そんな言葉はなかったと思うが)汚部屋化が進んでいった。
病気を治して卒業し、東京で就職して、生涯の夢に邁進してゆくつもりが、卒業すらおぼつかない状況になってしまったのだ。
そんな折、ゼミで知り合ってサークル活動を共にしていた先輩(14歳年上。通信制なので、年輩の学生も多い)に対し、幾度も次のようなことを語った。同意してもらうことを求めて。
「自分のこともちゃんとできない者が、世のため人のために尽くそうなどというのは、本末転倒なんですよね。
そうしたことを始めるのは、自分自身のことを何とかしてからで構わないし、むしろ、そうすべきなんですよね」
と。
だが、そのおじさまは、したり顔でこう言い続けた。
「それは、君の欲求水準が高すぎるから、そう思えるだけで、実のところは、ちゃんとできているんだ。
だから、君の言っていることは間違っているんだよ」
と。
決して、私が懸命に自分に言い聞かせていることを、肯定しようとはしなかった。
どんな汚部屋に暮らしていても、大学の授業を受けに外出する時は、身支度はキチンと整えていく。ゼミやサークルでの発表も、キチンと行う。面接授業では、学業をキチンとこなしている。
そうした「表面」のみを見ていれば、そう解釈してしまうのも、無理からぬことではあるのかもしれない。
40歳に近い独身男性であれば、若い娘というものへの、幻想もあったのだろう。
どんなに私が「本当に、アパートの部屋は散らかり放題だし…」と説明しても、私が置かれた現状を、理解しようとはしなかったのである。
だが、ある日の深夜。
一人で勝手に、私が自死するのではないかと思い込んで、部屋に押しかけてきた時。
部屋には入れなかったが、入り口から中の様子を見て、絶句していた。
本当に想定外の、ものスゴい状況になっていたのだと、思い知ったのだろう。
彼はその後、次のように述べた。
「今までの僕の言葉は、全て撤回する。
まずは、自分の生活をキチンとすることから始めなさい。世のため人のために尽くすなどということは、後でもいいから」
と。
本当に、百聞は一見に如かずである。
どんなに言葉で説明しても伝わらない、わかってもらえない、信じてもらえないことも、実際に見れば、一目で納得してもらえる。
こんな経験があったので、本ブログでも、わが家がゴミ屋敷と化している状況を、写真で示してみた。
https://blogs.yahoo.co.jp/chp31240/65989618.html#65993106
その反響は、大きかった。
やはり、私の文章の書き方から、「ゴミ屋敷といっても、大したことはないのだろう…」と、思っていた方もいたのだろう。
なので、あらためて、今度は私の部屋の写真を上げてみたい。手前の右側に見えるのが、ベッドの頭の部分。カーテンの向こうがサッシの引き戸。右奥の本棚はまだマトモだが、今は、そこにたどり着くのが困難になっている。
2014年秋の地震で、本の山が崩れたものも、そのままになっている。
その頃に、ネットの人間関係でトラブルがあって、心が折れてしまったことから、片づけを放棄してしまったのだ。
もはや、研究資料を掘り出すのも困難になってしまった。
そこで、このたび、ゴミ屋敷脱出作戦を開始した次第なのである。
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