02.03
やはり本は紙製がよい!─『キャプテンハーロック~次元航海~』を購入して
そのため、『キャプテンハーロック~次元航海~』(原作・総設定・デザイン:松本零士 / 漫画:嶋星光壱)という作品の存在を、今頃になって知った(雑誌連載は2014年から。コミックスの刊行は2015年より)。
知ったきっかけは、先日「アニソンでエンパワーメント・番外編─『宇宙海賊キャプテンハーロック』より「わが友わが命」」という記事(https://blogs.yahoo.co.jp/chp31240/65964412.html)を書いたことだ。
この記事の下部に表示された関連記事の中に、この作品に言及したものがあったのである。
これは、かつてマンガ版は未完に終わった『宇宙海賊キャプテン ハーロック』を、原作者の指導のもとに、新人マンガ家がリブートした作品である。
レビューによれば、他の様々な松本作品と、リンクした内容になっているらしいので、購入を決めた。
新品ならば、電子書籍の方が、各種割引キャンペーンにより、かなり安く入手できる。
また、家のゴミ屋敷化に苦慮している身としては、モノが増えずに済む電子書籍は、ありがたい。
そのため近年は、資料として保持しておきたいものや、何度も読み返すと思われるものではなく、単に読めればいいという程度のものは、電子書籍で購入していた。
だがこの作品は、紙の本をネット古書店で探して購入した(第5巻まで。現在第7巻まで刊行中)。実体のある紙の本として、手元に置きたかったからである。古書とはいえ、それほど安くなってはおらず、結果的に、電子書籍で買うよりも高かったが、それでも満足している。
そう。
やはり私には、紙の本の方が合っている。
自分が印刷会社に勤めているから、そう言うのではない。勤務先での仕事も、近年は、電子書籍やデータでの仕事が、増えているのであるから。
スマホの画面越しに、データの文字や画を透かし見るのではなく、紙の上に定着された、実体のある文字や画を見たい。
紙の本という実体のある物を所有し、手に持って紙をめくり、文字や画を享受したい。文字や画に、実際に手で触れたい。そして、入手した本を、書棚に並べて保管しておきたい。
そうした欲求が、確かに私にはあるのである。
それは、現実的な快楽を重視せず、観念的なものを好む傾向が強い私にとっては、意外なことでもある。私にも案外と、現実的なモノに対する執着が、存在していたようだ。
紙の本は、一時は、遠からず消滅するとまで言われた。
だが、そうたやすくは消滅しない。案外根強く生き残るかもしれないと、あらためて思った次第である。
さて。肝心の、作品の感想は…。
旧作のストーリーを基本としながら、他作品の要素をうまく取り込み、リンクさせている。
松本零士の作品群は、長年の多メディア展開のうちに、多くの矛盾や不整合が生じてしまっているのだが、それらも解消しようとしている。
昔からのファンとしては「あの裏設定も取り入れたのか」「あの作品ともリンクさせるとは」といった類の驚きと、感慨の連続である。
そしてとりあえず、現段階では、そうした処理には満足である。
この調子で、実は全ての作品がリンクしているという、壮大な松本ワールドの全貌が明らかにされてくれれば、長年のファンとしては、うれしい限りである。
原作者が高齢であるためか、本人の手になるものではなくとも、本人に見出され・認められた作家の手によるものであれば、次善のものであると感じる。
世の中には、作者が物故したために、未完に終わった作品が数多くある。壮大な作品世界の全貌が、明らかにされず終いになってしまったものが。
そのことを思えば、たとえ原作者以外の手になるものであっても、発表されるだけ、どんなにマシかしれないではないか。
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