40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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『サムライトルーパー』の武装シーンに、『ダイオージャ』が混ざってしまった件─そう思った人、他にもいるはず・その2

テレビアニメ・『鎧伝 サムライトルーパー』(1988-89)においては、主人公グループの武装(鎧装着)シーンの美麗さが、見どころのひとつであった。
それは、巨大ロボットものにおける合体シーンと同様に、丁寧な作画がなされ、いわゆるバンク(使い回し)によって、毎回のように見ることができた。

主人公たちが、ポーズをとって、「武装ぉー!烈火ぁー!(注1)」と叫ぶところから始まる武装シーンは、透過光が多用され、反物が飛び交い、桜の花びらが舞い散るなど、ケレン味にあふれ、美しく派手である。
降り注ぐ桜の花びらが、鎧に変化したかのようなイメージの後、決めポーズを様々な角度から見せて、武装シーンは終了となる。

本作は『聖闘士星矢』(1986-89)のヒットを受け、言ってみれば、二番煎じとして作られたものである。
だが、この武装シーンの多用は、『星矢』にはなく、本作から導入されたものと言ってよいだろう。
『星矢』にも、聖衣(クロス)を装着するシーンがないわけではない。
だがその映像表現は、非常にあっさりとしたものである。さらに、主人公たちは、ほとんど聖衣を装着し続けているため、装着シーンの回数が、極めて少ないのである。

本作以降、『天空戦記シュラト』(1989-90)、などの、いわゆるプロテクトヒーローものには、この派手な武装シーンは、不可欠なものとなった。
そしてもちろん「美少女戦士セーラームーン」シリーズ(1992-97)のような、他ジャンルの作品(注2)においても、同種の変身シーンは、見どころのひとつになっている(注3)。

本作の武装シーンは、そのように重要なものである。だが私は、このシーンに関し、大きな記憶違いをしてしまっていた。
「武装ぉー!烈火ぁー!」の後に、鼓の効果音が入ると思っていたのだが、放送を録画したビデオを見直してみると、そんな効果音は、存在していない。
では、自分の記憶にあるのは、一体、何であるのか。
長らく考えて、やっとわかった。
鼓の効果音は、巨大ロボットものの『最強ロボ ダイオージャ』(1981-82)の合体シーンで、使われていたものであった。
どういうわけか、記憶のなかで、両者が混同されてしまっていたのだ。

両作品は、製作会社と放送枠が同じである。また、『トルーパー』は戦国武将や「八犬伝」、『ダイオージャ』は「水戸黄門」と、どちらも元ネタが和風である。そして、キャラクターの絵柄も、それなりに似ている。

その程度の共通点でも、記憶のなかで、混ざってしまうことはあるのだ。
毎年々々、何十というアニメ作品を視聴し続けていくうちには、記憶が混ざってしまうのも、無理からぬことかもしれない。
自覚していないだけで、他にも混同しているケースは、あるだろうと思う。

時々、あるアニメ作品を、他の作品と混同して論じた文章を見かける。けれど、そうしたものを書く人を、安易に笑えないと感じる。
アニメ作品に関する文章を書くときは、記憶だけで書くことなく、きちんと映像を見直す必要があることを、痛感している。

(注1)主人公の場合。他メンバーの場合は、「光輪」「金剛」「水滸」「天空」となる。大部分は、主人公の武装シーンだったが、他メンバーのみのシーンも、数回あった。
(注2)「セーラームーン」シリーズを代表とする、いわゆる変身ヒロインもの。ないしは、「セーラームーン」シリーズも、その一種であると見なされる、魔法少女もの。「セーラームーン」シリーズは、「戦闘美少女系魔法少女もの」の先駆けと見なされている。
(注3)近年になって製作された、続編の『聖闘士星矢Ω』(2012-14)においても、聖衣の装着シーンは『トルーパー』以降の伝統に則り、美麗なバンクシーンが多用されている。
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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

C

omment

No title
ダイオージャは、久しぶりにタイトルを見て思い出しました。
当時これを見て、あ~ぁ(笑)と思ったのを思い出します(^^;;
トルーパーと混ざってしまいましたか?
その頃に その発言をしたら、ファンの乙女方に叩かれそうですねー(#^.^#)フフフ…

イリューシン URL | 2016/10/24 11:34 [ 編集 ]

No title
懐かしいタイトルを見て、昔わくわくしながら見たのを思い出しました。
トルーパーの仲間がバラバラになった時、天空が、宇宙空間で漂っていたのには、さすがに驚きましたが・・・。

ところで、セーラームーンについてですが、私はこれを「魔法少女」の系列と括っていたのですが、ハナさん*さんはトルーパーに始まる「美麗武闘もの」と括られたのでしょうか?

素人見解ですが・・・。

ももの URL | 2016/10/24 15:11 [ 編集 ]

No title
ご訪問、コメント、ありがとうございました。
何やら懐かしいタイトルが並んでいますねえ!
後ほど拝読させて頂きます!

from_heartland URL | 2016/10/27 23:07 [ 編集 ]

No title
> min*_*lue*200さん
いらっしゃいませ。ようこそ。

ここでの表示名が、あちらと違う方は多いですね。
武装シーンは、三番煎じの『シュラト』の段階でも、かなり派手になりました。また、キャラごとに変化をつけるあり方も、顕著になっていました。

ハナさん* URL | 2016/10/29 20:48 [ 編集 ]

No title
> イリューシンさん
『ダイオージャ』を見て、「あ~ぁ」と思ったのは、やはり、あまりに水戸黄門なゆえでしょうか。

私の脳内では、混同に気づいた今でも、「武装ぉー!〇〇ー」の後には、「ポポポポ ポンポンポンポン…」と、鼓の音が聞こえます。
本来は、「その目でしかと見よ! クロース トライアングール!」の後に、流れるものであるのに。
放送当時は派手だと感じた「トルーパー」の武装シーンも、90年代のものに比べると抑えめなので、このくらいのケレン味があっても、よいと思うのです。

ハナさん* URL | 2016/10/29 23:59 [ 編集 ]

No title
> もものさん
セーラームーンの作品ジャンルについて。
鋭いですねぇ。痛いところを突かれました。
これについては、説明が面倒なので「他ジャンルの作品」という表現で、逃げていたのです。
ご指摘を受け、本文に注を追加いたしました。
「セーラームーン」シリーズは、変身ヒロインものの一種である美少女戦隊ものの、最初の作品であるとともに、魔法少女ものの系列にも、位置づけられています。後に出てくる、戦闘美少女系魔法少女もの(『リリカルなのは』など)の、先駆けでもありますね。

最近は、ジャンルミックスの傾向が強く、ひとつのジャンルで括れない作品が多くて、研究者泣かせです。
『レイアース』なんて、どのジャンルと言えばいいのでしょう? 困ります。

ハナさん* URL | 2016/10/30 00:19 [ 編集 ]

No title
> ハナさん*さん

レイアース・・・。
確かに悩みますね(笑)。
異世界もの、魔法少女、華麗な武装、そして最後にはロボット・・・。

最近見たもので、魔法少女まどかマギカが印象に残っています。
ヒロインまどかは最後まで戦闘には参加しませんでした。
こういうヒロインもありという事ですね。

アニメーションの世界はまだまあ可能性を秘めた、世界だとしみじみです。

ももの URL | 2016/11/01 00:48 [ 編集 ]

No title
はじめまして。「武装シーン」で検索していたらこちらに辿り着きました(笑)。

トルーパーの武装シーンでの「鼓の音」ですが、これは序盤の話数に使われていました。
(サンライズ公式のトルーパーのページの第1話の無料視聴で聞くことができます)
この音、印を結んだ後で反物が舞うあたりで使われていたのですが、しばらく経ってからの武装シーンではその音が無くなっていました。評判が悪かったのでしょうか(笑)

なので、ハナさんの記憶違いではないと思いますよ♪

また寄らせていただきますね^^

マルセル URL | 2017/01/31 18:12 [ 編集 ]

No title
> マルセルさん
ありがとうございます ! ! ! ! ! !

教えていただいた第1話を視聴して、武装シーンの鼓の音を、確認することができました。
私の記憶にあったのは、これだったのですね。
考えてみれば、現在自宅にある録音・録画テープは、中盤以降のもののみです。そのため、いくら武装シーンをチェックしても、鼓の音がなかったわけです。

武装シーンはバンクだから、全て同じに違いないという、先入観にとらわれておりました。
バンクシーンのマイナーチェンジなど、珍しくもないのに。
やはり、何かを調査するときは、全話に当たるべきですね…。

これで、長年のモヤモヤが解消されました。
記憶にある、あの鼓の音は何だったのかと、必死に考え、『ダイオージャ』と記憶が混ざったという仮説を立てながらも、釈然としないものがあったのです。
真実がわかり、とてもスッキリしました。
自分の記憶違いではなかったことよりも、真実が判明したことの方が、うれしいです。

どこのどなたかは存じませんが、本当に、ありがとうございました!

ハナさん* URL | 2017/02/05 20:59 [ 編集 ]

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| 2019/06/02 00:59 [ 編集 ]


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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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