06.26
2年ぶりに、母にシャワー浴をさせることができた件
一昨年の秋、病病介護短歌として、
世の中の介護の基準充たせないそれがわが家の現実と知れ
と詠った。
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-444.html
認知症が進んできた母は、「デイサービスに行って、お風呂に入れてもらおう」と言えば、「家で入るから、いい」と言い張って、デイサービスには絶対に行かない。
かといって、家で自力で入浴できるわけではなく。私が入浴させようとしても、「自分で、(身体を濡れタオルで)拭くから、いい」と言い張って、浴室に行こうとしない。
とはいえ、口ではそう言っていても、自分で清拭ができるわけでもない。汗まみれのまま、「身体が、かゆい、かゆい」と言っている。
それでも、絶対にデイサービスには行かないし、家で入浴もしない。せめてものシャワー浴すら、ある時期から拒否し続けるようになったのである。
要介護者の身体を清潔に保つという最低限のことが、わが家では、どうしてもできないのだと思い切ったのが、一昨年の秋であった。
一昨年の夏以降は、ごくごく稀に行う清拭以外、入浴はおろか、シャワー浴すら行えなかった。
たとえ毎日ではないにしても、週に何度かは入浴するのが普通であり、入浴が週に1回などと言えば、「そんな不潔なことでどうするのだ」と言われてしまうのが、今の世の中であろう。
何週間どころか、何カ月も、1年以上も、要介護者を入浴させられないとは。なんてヒドイ介護者であるのかと。母が「かゆい、かゆい」と言うたびに、自分の至らなさを責められている気がした。
本人が嫌がる以上、無理にデイサービスに連れていくわけにはいかない。介護スタッフの方々も、当人の意に反して、引きずってでも連れていく、などという真似はできない。
それは、家でも同じことだ。嫌だ嫌だと言い張る母を、浴室まで引きずっていくわけにはゆかない。いや、引っ張っていこうとして取っ組み合いになったら、私は、自分の1.5倍の体重である母には、勝てないのだ。
担当のケアマネも、困り果てていたわけだが。この春から、1つの対応策として、週に1回、訪問看護の形で、看護師に足湯などをしてもらうことが決まった。
ゴミ屋敷がある程度改善され、家の中に他人を入れても大丈夫な状態になったからである。
とりあえず最初は、足湯と爪切りから始め。回を重ねるごとに、ドライシャンプーや着替え、清拭等々と、行うことを増やしてゆくことで。知らない人に肌を見られるなんて……といった抵抗感を、徐々に減らしていった。
そして今回、7回目にしてようやく、母を浴室まで連れてゆき、シャワー浴をさせることができた。
一昨年の夏から、およそ2年ぶりの快挙である。
私だけでは、到底なし得なかった。やはり、看護師という専門職は違う、というところである。
さらに言えば。そうやって身体を清潔にする習慣がついてきたのか、本日も、母の求めに応じて、足湯を行うことができた。垢やら角質やらが溜まりまくって、もう、医者に連れていくのもためらわれる状態だった母の足が、かなりきれいになってきた。これなら、医者にも連れていける。
母を入浴させられない、最低限の清潔を保つことができないという、長年にわたる懸念がひとつ、解消された。母の介護に関する悩みがひとつ、解決されたのである。
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