03.13
グレーゾーン短歌2首:病気ではないならやれるはずだろと……
地縁団体における奉仕団の、地域班長を押しつけられそうになって詠める
病気ではないならやれるはずだろと迫る世間に抗す術なし
住まう地の助けは要らぬ求めないなれどもせめて負担おわすな
*地方都市ゆえ、地縁団体(町内会、隣組、班など)の活動が活発であり、逃れられない。
何年かに1度(隣組内の世帯数によって異なる)回ってくる隣組長は、まぁ、引き受けるしかないと思った。一生懸命がんばれば、何とかやれるだろうと。
隣組長は、原則、地区団体の役員もやらなければならない。家庭の事情を話して断るつもりで、会合に出たのだが、何組の組長は何の役員と、既に割り振りが決められていた。
他の班では、個々人の希望を聞いて、誰は何の役員と、民主的(?)に決めていたのだが。ウチの班では、班長の独断で全てが決められ、個々人の希望や事情は、一切考慮されなかった。
よりにもよって、個人的には一番嫌な、面倒で負担も大きい、一番やりたくない役(日赤奉仕団員)をあてがわれてしまった。だがそれでも、死に物狂いでがんばれば何とかなると思い、仕方なしに引き受けた。
だが。一生懸命無理してがんばれば、死に物狂いで努力すれば何とかなるのは、ここまでである。役員の引き継ぎ会で、日赤奉仕団の地区班長の役を押しつけられそうになった時は、これ以上は本当に無理だと、全身で感じた。
これ以上の役を押しつけられたら、その心身の負担ゆえに、私は介護○人を犯しかねない。認知症の母の介護が十全にできずにいる、現在の私の状況は、心身にゆとりがない、ギリギリのところにある。それをどうにか、セラピーによって、現状維持か、少しずつよい方向へと進めているのだ。
けれど。障害でも病気でもない身では、そのギリギリの状況を、初対面の他人にわかるように説明する言葉がない。
「仕事」とか「介護」というだけでは、今年度の副班長が、「僕だって、仕事持ってるけど、役員の仕事をやりましたよ」と言われてしまえば、抗弁できない。
あなたと私では、「仕事」の具体的内容と負担感が異なるでしょう。あなたは、家のことは配偶者にやってもらっているんでしょう。あなた個人の健康状態は、それほど悪くないのでしょう。(違うかもしれないけど。とにかく、役員の仕事をやれるだけの、生活のゆとりがあったのでしょう。)あなたと私では、置かれている具体的な状況が、全く異なるのですよ。
「自分にできたのだから、他の人にもできるはずだ。できなければおかしい。やらなければいけない」
それは、自分と他者の具体的な状況が異なることを無視した、身勝手な言い分にすぎない。
さすがに「母をコ○してしまいそう」とは言えないから、「母をどうにかしてしまいそう……」という表現で、現実問題として無理だということを伝えた。だがそれでも、無理だということを信じてもらえない。できないから外してくれと言っても、聞き入れてもらえない。
あげくの果てに今年度の班長から、「地域のお世話になっているのだから、たまには恩返ししないと」と、説教される始末だ。
地域のお世話になっているという感覚はないけれど。それでも仕方ないから、隣組長と奉仕団員は、引き受けたんです。これ以上、私に何をしろと言うのですか。
地域から、介護○人の犯罪者を出してしまってもいいのですか? 私が、母を○してしまったら、責任を取ってくれるのですか?
介護○人とか心中などの事件が起きると。その地域の人が。
「何で、周りが気づいて、助けてあげられなかったのだろう」「せめて、SOSなどのサインを出してくれていたら」等々と語るわけだが。
無理だって言ってるのに。信じなかったのは、そちらだろう。別に、地域社会のサポートなんて要らない。そんなものは、求めない。
でもせめて。
せめて、余計な負担は背負わせないでください。
困り果てた私が、十数年ぶりに過呼吸発作を起こして悶え苦しんでいると。オブザーバーとして同席していた副区長が。
「※※さん。そんなに、深刻に考えなくても」
リタイヤ後の第2の人生をエンジョイしている(?)あなたと違って、今現在の私は、そういう、生きるか死ぬかのギリギリの、深刻な世界に生きているんです。
地域社会の役員を、しかも、団体の地域の代表者を務めるということは、私にとって、そういう真剣で深刻で、決していい加減にはできない重大事なのです。
「押しつけられたから、仕方なく引き受けたけど。やっぱり、ちゃんとできませんでした。会合とかのドタキャンを、いっぱいしちゃいました。ごめんなさい。テヘペロ」
……などという、いい加減なマネは、死んでもできません。
十何年かぶりに過呼吸発作を起こしてしまったことで、「病気が再発しました」ということになれば、それはそれで、ある意味助かる部分もあるのだが。そうは問屋が卸さない……というところだろうなぁ。
結果的に、過呼吸発作を起こしてしまったことで、班長を押しつけられることからは、免れた。別に、それを見越して、わざと発作を起こしたわけではないのだが。そうだと決めつけられてしまったら、反論できない。所詮コイツは、そういう未熟な、神経症性格の奴なのだと。
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