40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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アンダークラス短歌:あと三歳[みとせ]残りし日々をひたすらに……


あと三歳[みとせ]残りし日々をひたすらに
            仕事にかけるそれもまたよし

*とうとう57歳になり、定年まで、あと丸3年となってしまった(勤務先の制度では、満60歳になった月の末日で定年となる)。
 再雇用制度はあるものの、定年が仕事のひとつの区切りであることに違いはない。

 まさか、定年まで非正規雇用のままで終わるとは思わなかったが。若い頃に抱いた生涯の夢を果たすための、仕事に生涯の全てを捧げる人生とは、ほど遠いものになってしまったが。
 それでも今は、こうした展開もアリであると、「それもまたよし」と、思えるようになっている。

 少なくとも現在のように、勤務先で自分しかできない、やりがいのある校閲の仕事を任されて、仕事を通じて己を高めつつ、社会貢献もしてゆけるのであれば。
 正規雇用者との間に、給与等に不合理な格差があったとしても、収入よりやりがいを重視して、今の仕事に満足と喜びを感じていられるから。

 私が、一生を非正規雇用で終わるというあり方は、学生時代に精神疾患を発症し、適切な治療を受けられなかった者の社会復帰という問題において、ひとつのモデルケースとなるだろう。


※病病介護という語を捨てた後の、次なるキャッチフレーズを何にしようかと考え、「おひとりさま介護」にしようかとも思ったのだが。
 とりあえず、「アンダークラス」にしてみた。

 この語の定義等に関しては、橋本健二の『新・日本の階級社会』(講談社現代新書、2018年)、『アンダークラス』(ちくま新書、2018年)等を参照願いたい。
 簡単に言ってしまえば、いわゆる非正規雇用から、主婦のパート・学生アルバイト・定年後の再雇用者を除いた人々。つまり、非正規雇用のうち、自分の収入のみで生活している(あるいは家族を養ってすらいる)、従来ならば正規雇用でいるのが当然であった年齢・境遇の人々を指している。

 今までの非正規雇用に関する議論は、アンダークラスに該当する人々と主婦パート等を分けることなく、いっしょくたにしてデータを扱うことが多かった。それでは、正確な状況がわからないだろうと思っていたので。
 非正規雇用のなかから主婦パート等を除いて、現在問題となっている境遇の人々を抽出し、考察の対象としていこうという試みには、大いに賛同する。
 この筆者のデータの読み方や論の進め方には、反論すべき点が多々あるけれども。

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テーマ : 格差社会
ジャンル : 政治・経済

Tag : 介護  校閲  精神疾患  非正規  アンダークラス 

C

omment


アンダークラスという単語、この記事で初めて知ったので、橋本健二氏の著作を読んだり、出演したラジオ番組を聴取したのでコメントしにきました。

本中、アンダークラスの方々は生活の満足度も幸福度も調査中、最低だったと書かれてありましたね。そんな中で、ハナさんが自分の人生を肯定されているのは、苦しみながらも自分に合った道をさがしてこられたからなのだと感じて、記事で仰っているようにモデルケースになると思いましたし、私にとっても希望となりました。

橋本氏が社会的な格差を自己責任論で切り捨ていくと、社会全体で連帯責任化していって、ともに貧しくなっていくので、自分とは違うクラスの所得を増やすことが解決策になると仰っておりました。

私も生活保護や、貧困問題で取り上げられた方へのバッシングにそこを批判してもなんの解決にもならないし、弱いものが弱いものを叩いている構図にしか見えずに悲しかったので、そうなったらいいなと感じましたが、ハナさんが書いているように“筆者のデータの読み方や論の進め方には、反論すべき点が多々あるけれども。”との記述にどこらへんなのかもう一度よく読んでみたくなりましたね。

八手3 URL | 2021/10/18 17:10 [ 編集 ]

Re: 八手3さん
> アンダークラスという単語、この記事で初めて知った

この言葉に興味を持っていただき、ありがとうございます。
社会学者とかの間では、それなりに周知されていても、マスメディアでセンセーショナルに広める人がいないため、一般にはあまり知られていないのかもしれません。

> 本中、アンダークラスの方々は生活の満足度も幸福度も調査中、最低だったと書かれてありました

> “筆者のデータの読み方や論の進め方には、反論すべき点が多々あるけれども。”との記述にどこらへんなのかもう一度よく読んでみたくなりました

統計データから、「アンダークラスの人々は、○○な人の割合が、他のクラスの何分の一しかない」とか、「※※の人の割合が、他のクラスの何倍にも達している」と読むのはよいのですが。
そうである理由の考察が、主観的というか、客観的なデータに即しておらず、恣意的とすら言えるのです。

例えば、「現在心の病気である、あるいは心の病気を経験したことのある人の比率は、アンダークラスでは、他の人々の3倍近い2割」と読むのは、よいでしょう。
けれどその理由を、「アンダークラスは生活が不安定であるがゆえに、将来の不安等が多く、心の健康を害しやすいからだ」としてしまっているのを見ると。
私などは、「いや、それは因果関係が逆だろう」と、思ってしまうわけです。

アンダークラスの人の何割かは、「心の病気を経験したがゆえに、あるいは現在心の病気であるがゆえに、正社員として就職することができず、非正規雇用に甘んじている。アンダークラスにとどまらざるを得ない」人であるはずなのです。私自身がそうであるように。
今現在のメンタルの状態だけでなく、「過去に精神科に通院したことがある・心の病気の診断を受けたことがある」等の人をも含めて、パーセンテージを算定してしまったがために、このような結果になってしまったのだと。

つまり、アンダークラス→心の健康を害しやすい
ではなく、
心の健康を害したことがある・害している→アンダークラスになってしまう
の順ですね。

もちろん、アンダークラスであるがゆえに、不安を感じやすいとか、幸福感が低いゆえに、心の健康を害するリスクが高いという見方は、間違いではないでしょう。
けれど、それが全てではない、ということです。

ハナさん* URL | 2021/10/31 20:11 [ 編集 ]


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rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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