40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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病病介護短歌:三十年[みそとせ]も此処にとどまり……


 勤続30年目に入りて詠める

三十年[みそとせ]も此処にとどまり花咲けど
           実れる時のきたるものかは

*社会復帰訓練のため、数年間勤めるだけのつもりだったパート勤務が、ついに勤続30年目に突入した。

数年前から、グループ会社全体で私しかできない校閲の仕事を任されるようになったせいもあり、この場所で非正規雇用のまま、定年まで勤める覚悟も決まった。

自分の知識や能力を最大限に活かし、自分にしかできない仕事をすることには、大きなやりがいを感じる。
校閲の仕事をしている毎日は充実感に満ち、会社で働いている最中の私は、輝いていられる。
仕事を通して、人文・社会・自然科学の最先端の知見に触れられることは、この上もなく興味深く、役得だと感じる。
長い雌伏の時を経て、ようやく、花咲ける時が来たのだと、そう感じるのは確かなことである。

「置かれた場所で咲いてしまった─収入よりやり甲斐を」
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-107.html

「病病介護短歌:我にしかできない仕事もつことは……」
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-457.html

だがしかし。同時に。
私の仕事人生は、これだけで終わってしまうのかと思うと、やはり寂しくなる。
他の人の手がけた文章が、書籍が、少しでもよいものとして世に出るお手伝いをすること。
それはそれで、もちろん重要なこと、大切なことだ。

だがやはり。私が私自身の名において成したものが、何ひとつ世に出ることなく終わってしまうこと。それは私にとって、何事も成し得ぬままに終わること、実りを得ることなく終局を迎えることに等しい。

校正校閲は裏方の仕事であって、それを手がける者は、縁の下の力持ちとなり、決して表舞台に出ることはない。
そんなことは、わかり切っていたはずなのに。
自らが書いたものを世に出すのは、定年後の第二の人生になってから。
それまでは、校正校閲の仕事で生きざるを得ない。それは自分の人生の帰結として、仕方ないことなのだと、割り切ったはずであるのに。

校正校閲のような仕事が性に合っており、この場所で輝いていられる、花を咲かせているというのは、もちろん嘘ではない。
だがやはり私には、それだけでは満足できない、それで終わってしまったのでは、花は咲いても実がなったとは感じられない、そうした欲のようなものがある。

そんなことを痛感した、30年目の早春であった。

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テーマ : 自分なりに生きる
ジャンル : 心と身体

Tag : 校閲  校正  非正規 

C

omment


花咲ける時が来たのだと感じておられるのですね!
悩んでこられた方が生きがいを感じておられるのを見て元気をもらいましたが、記事後半の割り切ったはずなのに割り切れない気持ちにも共感してしまう記事でした。

何か残したい、それが出来ていないことに焦る気持ちはどんな人にもありますし、ハナさんが目的の為にいろんな努力をされているのを感じており書かれるものに興味がある身としても今後が気になりました。

トギエモン URL | 2021/03/17 20:43 [ 編集 ]

Re: トギエモンさん
「置かれた場所で咲いてしまった」と書いてから、もう、3年ですからね。

やはり、作者のことをどれだけ知っているかによって、作品から受ける印象や解釈は、大きく変わってくるのだと感じます。

ハナさん* URL | 2021/03/20 19:53 [ 編集 ]


T

rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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