05.04
お粗末すぎる「ベスト・アニメ100」
その企画の目玉である「ベスト・アニメ100」の投票結果が発表された。
1位:TIGER & BUNNY
2位:劇場版 TIGER & BUNNY The Rising
3位:魔法少女まどか☆マギカ
4位:ラブライブ! (TVアニメ1期)
5位:ラブライブ! (TVアニメ2期)
6位:劇場版 TIGER & BUNNY The Beginning
7位:コードギアス 反逆のルルーシュ
8位:カードキャプターさくら
9位:ラブライブ! The School Idol Movie
10位:おそ松さん
*結果の詳細は、以下を参照のこと。
(http://www.nhk.or.jp/anime/anime100/ani_report/index.html)
「ベスト・アニソン100」に関する記事では、以下のような批判を記した。
「Web投票オンリーであり、投票を、大々的に募集していたようでもない……」
「投票総数がどの程度であり、集計方法や得票数も明示されないランキングに、どれほどの信頼が置けるのかには、大いに疑問がある。
結果から推測するに、若い世代の投票が、圧倒的に多かったのではないか、投票者の年齢層が偏っているのではないか」
これと全く同じことが、本企画についても言える。
そして、ごく一部のマニアしか知らないであろう短編作品が、総合:38位・男性:13位にランクインしていることなどから、結果の公正性についても、疑問を抱かざるを得ない。
「ベスト・アニソン100」に関する記事で述べたことを、もう一度繰り返す。
公共放送であるNHKが、日本アニメの100周年を記念して、大々的に行ったものとしては、あまりにもお粗末すぎる。
民放が、2時間枠のスペシャル番組で行うランキング企画の方が、投票数や集計方法が明示されているだけ、マシである。
民放番組のランキング企画は、「当該局の作品が優遇されがちである」等の問題点が認められるにせよ、これよりはまだ、妥当な結果が出ていると言える。
あらためて言う。これのどこが、ニッポンアニメのベスト100なのだ。お粗末にすぎる。
念のために言っておく。これは、「自分の好きな作品がランクインしていない」等といった不満とは、別次元の問題だ。
日本アニメーション学会に所属し、日本のアニメに関する学術的な研究を行っている者のはしくれとして、日本のアニメ史を(可能な限り客観的に)考察したうえでの感想である。
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