40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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支援しているNPO法人に取材した、ミステリー小説が刊行された件

2年半前から、
「助けを求められない若者」に支援の手を差し伸べる団体があった!
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
等に記したNPO法人に、継続的な支援(寄付)を続けている。

助けを求められない若者を支援する団体」への継続寄付手続き完了!
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-64.html

そのNPO法人・OVA〔オーヴァ〕に取材した、SFミステリー小説が、5月末に刊行されたという。

逸木裕『銀色の国』東京創元社、2020年
税込1870円(電子版・税込1800円)
ISBN:4488028098

OVAからのメルマガに記されていた概要は、以下のとおり。
*****************
物語の主人公(の一人)は自殺対策NPO法人の代表で心理士の田宮晃佑(35歳)。
NPO法人Rate(レーテ)は設立6年で、
新宿区に事務所を構え、チャット相談事業を行う団体です。

自傷行為を行っていた浪人生のくるみは
VR上の自助グループ〈銀色の国〉にいざなわれます。

ある事を発端に、田宮は〈銀色の国〉とその恐ろしい計画を知ることになります。
〈銀色の国〉をめぐり、人々が自殺に追い込まれないように、
田宮とRateのスタッフが奔走し、謎を解いていきながら〈銀色の国〉に迫っていきます。
自殺対策に取り組む人の苦悩や、傷つきながらも自分と向き合っていく人々が描かれます。
*****************

出版社の特設サイト
https://special.tsogen.co.jp/ginironokuni
等に掲げられたキャッチフレーズは、
…………………………………………………………
 彼女に差し伸べられた手は、
 救いか 
 破滅か。

現代の闇「自殺」に迫る
鮮烈なミステリ!!
…………………………………………………………

この小説は、何と、冒頭の101ページが無料公開されている(上記の特設サイトより閲覧可能)。

また、「Webミステリーズ!」の
逸木裕『銀色の国』刊行記念!「殺人事件を書かないミステリ作家が書きたいもの」
http://www.webmysteries.jp/archives/23107675.html
では、作者の、以下のような話が掲載されている。

*************
作家になって以降一貫して、自我のゆらぎと、その延長線上にある自死というものを書いてきた意識があります。
 これは私自身が、かなり自罰的で、生きづらさを抱えた人間であることと無関係ではないでしょう。(略)苦しい局面がきたとき、ある種ポジティブに、誰かを排除してまで現状を打開しようとするのか、それともネガティブに自ら破滅に向かおうとするのか。私が後者の人間だからこそ、私のミステリは「なぜ殺すのか」ではなく「なぜ自殺を選んでしまったのか」という謎をめぐるものが多いのだと、自分では考えています。
******************

******************
この題材はぜひ書いてみたい――いや、私が書くべき題材だという思いがどんどん強くなっていきました。
******************

******************
それまで作品のエッセンスとして描いていた自殺というものを、一度物語の中心的なテーマに据えて書きたいと思っていたのです。
******************

******************
『銀色の国』は自殺という、現実にある重たいテーマを取り扱った作品です。ただ、それと同時に、読みはじめたらやめられない、問答無用で面白いノンストップ・エンターテインメントを目指して書いた作品でもあります。(略)
 優しさと悪意に溢れる蜃気楼の中を、皆様もぜひ彷徨ってください。
******************

そして、この「Webミステリーズ!」の筆者は、以下のように記す。

******************
 逸木さんは『銀色の国』の執筆あたり[原文ママ]、自殺防止の最前線で働く方々に取材を重ね、現場の危機感と使命感に触れました。「死にたい」という言葉は、「生きたい」という言葉と同じ意味である……とは自殺対策の現場でよく言われるテーゼだそうです。自死へ向かう人は死の直前まで死ぬか生きるか迷っているものだ、と。
******************

この「取材」先(のひとつ?)が、OVAであるわけだ。
OVAの代表者氏は、メルマガの中で、作者の熱心な取材ぶりを記しつつも、同時にこうも記している。

******************
NPO法人Rateや田宮はOVAに一致しすぎなところがあります。(略)

念のためお伝えしますが、最終ページに私の名前も載っており、小説内の田宮は私と同い年ではあります。ただ、田宮のキャラクターは私をモデルにしているわけではありません。(だいぶキャラや過去も違うので・・)
******************

こういうところは、断じて間違えるべきではないと思う。
事実に取材した小説=フィクションということを理解できず、何でも元ネタの人物や団体・事件と混同してしまう輩も、存在するので。

私自身は、まだこの本を入手して読むには至っていない。地元の図書館にあるので、とりあえずそこで借りて読むつもりだ(で、読んでみてよかったら、文庫化されたら購入するかもしれない)。

それでもとりあえず、こうした本があるということをお知らせしたいと思い、記事にしてみた次第である。

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テーマ : メンタルヘルス
ジャンル : 心と身体

Tag : NPO  支援  募金 

C

omment


これは、面白そうな本ですね。

SFミステリーで、自殺を扱う場合、トリックに超常的なことが用いられたら少し興ざめでありますが、それを回避するための手段がどんなのか非常に興味が湧きました。

そして、自分の知っている機関が出てくると興味湧きますよね。
私も以前、「最後のトリック」(深水 黎一郎 )というミステリーを呼んだ際、作中に大学の超能力の研究室が出てくるのですが、そうした研究についての本を読んだばかりでうれしかった思い出があります。

トギエモン URL | 2020/07/03 19:14 [ 編集 ]

Re: トギエモンさん
コメント、ありがとうございました。

今、仕事の方がとっても大変な状況(3冊の本を並行して校閲。1冊は154人分の文集。1冊は1000社以上の企業の概要集という、大部のもの)なので、ゆっくり返信しているゆとりがありません。

> SFミステリーで、自殺を扱う場合、トリックに超常的なことが用いられたら少し興ざめ

SFとはいっても、それは時代設定的なものであって、超能力が存在する世界だから密室が成立しなくなってしまうとか、そういうあれではないと思います。

> 自分の知っている機関が出てくると興味湧きますよね。

やはり、どうしてもネタ元の団体やそこの代表者さんを、重ねてしまいそうです。

ハナさん* URL | 2020/07/08 20:11 [ 編集 ]


T

rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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