40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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修士課程の恩師は今でもお元気で、新作能を作っていた件

先日ふと、通信制大学院の修士課程でお世話になった指導教授は、お元気なのだろうかと思った。いくら、「日本の伝統文化との関連」という視点を入れるとはいえ、日本の商業アニメーションに関する研究で修士論文を書くことを、許してくれた恩人である。もう、80代の半ばくらいになるはずだが、どうされているのだろうかと、唐突に思ったのだ。

そこで、その教授が主宰している学会のホームページ
https://ishcc.stars.ne.jp
に、本当に久しぶりにアクセスしてみた(一時期は私も所属していたのだが、ここ10年程は、ご無沙汰になってしまっていた)。
すると、まだまだお元気でいることに加え、今年の春には、先生が書かれた新作『たたかわざる者─ヘンリー・ソローとR.H.ブライズ─』の公演が、行われていたこともわかった。
https://m.facebook.com/tatakawazarumono/

英語やシェイクスピアの台本を書かれたり、自ら自作のシテ(主役)を舞ったりしていた先生だが、
https://ishcc.stars.ne.jp/noh/japanese.html

シェイクスピア以外にも、『トマス・ベケット』(T.S.エリオット原作『寺院の殺人』)、『二人のノーラ』(イプセン原作『人形の家』)、『ポトマック桜─尾崎行雄とエイブラハム・リンカンの夢─』といった作品を手がけるようになっていた。

そして今年は、『たたかわざる者』であるのだが。ヘンリー・ソローはともかく、R.H.ブライズ(レジナルド・ホーラス・ブライス)は、ある程度は英文学に詳しい方でも、「誰? それ」という感じであろう。
R.H.ブライズは、文学史においては、英語圏に俳句を紹介した文学者・日本文化研究者として、知られている。
だがそれ以上に、日本在住時に昭和天皇の「人間宣言」英文草案をつくり、皇太子(当時。現上皇)の英語教師(家庭教師)をした人として、有名である。

参照:上田邦義『ブライズ先生、ありがとう』三五館、2010年
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SP/SA/Detail?Action_id=121&Sza_id=D2&refShinCode=0100000000000032414881
(実をいうと、この本を出されていたことも、今回初めて知ったのである。)

この新作に興味のある方は、以下から、台本その他をダウンロードしてご覧になれる。
https://ishcc.stars.ne.jp/bulletin/27/index.htm

白状してしまうと私自身、まだ台本の全てを読んではいないのであるが。
ザッと流し読みをした範囲で印象に残ったのは、ラストで地謡(バックコーラスのようなもの)が謡う「人生に意味あるは、その苦闘が絶望的なるときのみと。絶望の中にのみ光あり」という言葉。

人生の真の意味は、苦闘の果て、深い絶望の彼方に、希望の光を見出した者にこそ、探し出せる。
現在の自分が置かれた状況に、妙にマッチしているように感じた。

このほど、病病介護のなかで、一大決心をして新たな一歩を踏み出すに至った
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-266.html
https://flowerhill873.blog.fc2.com/blog-entry-267.html
のには、この作品にふれたことも、関係しているのではないかと思う。

本当に、何の前ぶれもなく、上田先生のことを思い出した。そのことが、新たな一歩へとつながったのである。
何というか、不思議なめぐりあわせ、スピリチュアルな導き、いわゆるシンクロニシティというようなことも、感じてしまう出来事であった。

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テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag : アニメ    介護 

C

omment


80歳にして新作の能を作られた教授さんをすごいと思いましたし、そうしたクリエイティブなことをされている方は、まぶしく感じます。

ハナさんだけでなく私も元気をもらった気分ですし、ハナさんが決意されたことや改めて作成されようとしている論文にも興味を持ちました。
しかし、教授さんもアニメを題材にすることを許可して下さるとは、頭の柔らかい方なのですね。

トギエモン URL | 2019/10/25 17:05 [ 編集 ]

Re: トギエモンさん
> 80歳にして新作の能を作られた教授さんをすごいと思いましたし……

修士・博士課程双方の後輩で、修了後も学会の活動を手伝っている人の話だと、歳のせいか、私たちが教わっていた頃より、少し短気になってきたらしいです。

余談ですが、この後輩。元々は東映動画やタツノコプロで演出をしていたのですが、変名でのアルバイトで、『Ζ』や『ΖΖ』の絵コンテを切ったりもしているのです。
変名はツイストのボーカルから姓をとった……ということで。『Ζ』49話の演出意図を尋ねたこともあります。ほぼ全て、いわゆるトミノメモに服従しただけだった、とか。

あら。今、一応、本名で検索してみたら、 Wikipediaには、変名のことも載っているので、バラしてしまおう。渡部英雄さんです。Wikipediaのプロフィールを見たら、思っていたよりスゴい人だった……。ビックリ。

> 教授さんもアニメを題材にすることを許可して下さるとは、頭の柔らかい方なのですね。

そうなのですよ。とても鷹揚で心が広く、懐が深くて、よい意味で小さな事にはこだわらない先生でした。
重箱の隅をつつくような、枝葉末節にこだわる研究ではなく、広い視野をもって、大樹のように大きく広がってゆく壮大な研究をしろと、いつも言っていました。
人類の調和や文化の融合を希求する、高い理想を好む先生でしたので、ニュータイプ等の人類の革新に関する話も、おもしろがってくれました。

修士の指導教授はそんな感じだったのに、博士課程では、全然変わってしまいました(修士と博士では、母体となる大学は同じでも、学部が違うのですね)。
指導教授はアニメに詳しくないので、実際の指導を、『空飛ぶゆうれい船』の池田宏先生から受けたのですが。
池田先生は、「博士論文のように厳密なものは、『重箱の隅にいく』ようにして、細分化された小さなテーマに絞らなければ書けない」という持論の持ち主で。上田先生とは真逆でした。

それで結局、池田先生の指導は取り止めになったのです。

う~ん。このリコメは、我ながら、なんかスゴいですね。私って、結構な方々とお近づきになっている。
もっと言うなら、博士課程時代には、修士課程の講師をしていた高畑勲氏の講義を盗講して、色々とお話ししたこともあったりして。
高畑氏の授業の思い出は、いずれ記事にしようかと思っています。

ハナさん* URL | 2019/10/25 21:32 [ 編集 ]


T

rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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