40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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本当はいけないのだが─十数年ぶりの向精神薬

母が市民病院を退院した後、処方された薬を確認したら、懐かしい薬があった。向精神薬のソラナックス(商品名)である。
不眠を主訴として、精神科病院にかかっていた母は、長らく(アモバン・ネルボンの他に)コントールを処方されていた。だが、「自分の判断で減らしてよい。飲まずにいられれば、それに越したことはない」と言われていたため、入院時には持参しなかった。
そのコントールの代用として(恐らくは、術後せん妄の関係もあり)、入院中は、この薬を飲まされていたようだ。

長年、精神疾患に苦しんでいるとはいえ、私が精神科医にかかったり向精神薬を飲んだりしていた時期は、ごく僅かである。このソラナックスは、私が最も最近─とはいっても、十数年前になるが─、処方された薬である。

そして。母の退院直後。母の行動に関して、激烈な怒り発作を起こしてしまった朝。
床を激しく踏み鳴らしたために、衝撃で足を少し痛めてしまった。それに加え、呼吸と脈拍が乱れ、怒鳴り散らしたい衝動もおさまらず、このまま出勤して、一日中仕事をするのは、とても困難であると感じた。

そこで、母が飲まずにいたソラナックスを1錠拝借して、頓服として飲むことを選んだ。
その日は、予想通り副作用の眠気は強く感じたが、無事に仕事を終えることができた。
乱れきった心身を、無理に我慢して過ごすよりは、仕事の効率もよく、苦痛も少なかったと思う。

そして、数日前。
やはり、母の行動に由来する怒りが激しく、その他の様々なストレスも重なり、どうしようもなくなりつつあると、感じた日。
夕方に、またソラナックスを1錠飲んで、横になった。
それゆえか夜中までよく眠れ、夕食も手抜きで済ませて、あらためて眠りにつくと、翌朝は、目覚めも悪くなく、体調も好転していた。

たとえば、夫が風邪の際に処方された薬を、妻が風邪の際に飲むようなことは、断じてしてはならない。
他人が処方された薬を、もらって飲むようなことは、厳に慎むべきだ。
どんな副作用が生じるかわからず、効果がないどころか、状態が悪化することすら、あり得るのだから。

仕事柄、医薬品医療機器等法(旧薬事法)や医師法、医療法、薬剤師法、向精神薬取締法等は目にしており、その内容は理解している。
特に、向精神薬のような「危険な」薬は、厳しく規制されてしかるべきだと思う。

けれど。その薬について、物質名や作用機序・特徴・副作用等々をキチンと理解した上で、家族が処方された薬を、自己責任で飲むのであれば。それも、頓服として飲むのであれば。
それは、仕方のないこととして、許容されないだろうかと思う。

ここに、このようなことを記したところで、誰の許可を得られるというものではない。
さらに、家族が処方された向精神薬を飲んだというだけでは、罪に問われることもない。
ではなぜ、私はこの記事を書こうと思ったのか?

ひとつには、自分がこのような追いつめられた状況にあることを、示したかったのだろう。
けれどそれ以上に。
「他者が処方された薬を飲むことは、色々とマズイ事態を招きかねないから、素人が行うのは厳に慎むべきだ」と、語るとともに。
反面で、「薬のことを理解してうまく使い、効果を得られるのであれば…それはそれでよいよね?」と、誰かの同意を得たいのだと思う。

こんな状況にあるのなら、家族の薬を拝借しておらずに、精神科医を受診して、自分の薬を処方してもらうべきであろう。
それが果たせるまでのつなぎとして、とりあえず、こんなことをしている次第である。
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C

omment

No title
こんにちは。
確かに人に出された薬を飲むことは、精神領域だけでなく、すべての薬に
おいてよろしくないですよね。
思いがけない副作用が出た時に、対処も難しいですし。

過去に飲んでいた薬であったり、飲んで見て調子が良かったりしても
一時的なものとして、自身の分はやはり受診して頓服で出してもらうのが
ベストかと思います。

なかなか受診する時間が取れないのでしょうかね。
大変かと思いますが、あまり悪い時が続くようなら少し仕事を早退・遅刻
などしてでも受診を優先させて下さいね。
お大事にして下さい。

ポッポ URL | 2017/02/02 16:10 [ 編集 ]

No title
> min*_*lue*200さん
その両方を、ご理解いただけてうれしいです。

そして、何より、おっしゃるように。
そこにある向精神薬を、思わず飲みたくなってしまうような、激烈な心の乱れが生じてしまうことの方が、問題なのですよね…。

ハナさん* URL | 2017/02/02 20:28 [ 編集 ]

No title
> ポッポさん
お久しぶりです。
コメント、ありがとうございました。

そうですね。やはり、専門の方のご意見は、そうなりますよね。
専門家のほうが、薬というものの怖さを、よくわかっているのかもしれません。

とはいえ。
実は私、もう10年以上、精神科医にかかっておりません。
今、あらためて受診するのなら、さて、どこの病院にしようかと、選んで、予約をして…と、かなりの手間がかかるのです。
そのために、受診に二の足を踏んでしまっているわけです。
仕事帰りに寄りやすい場所に、クリニックができ、評判もよいので、そこにしようかと思ってはいるのですが…。

ハナさん* URL | 2017/02/02 20:40 [ 編集 ]

No title
> ハナさん*さん
今、お辛い状況のようですし、是非一度クリニックに行って見て下さい。
場合によっては昼に眠気もそれほど出ず、怒り発作もそれなりに落ち着かせて
くれる薬に出会えるかもしれないですし・・・
相性の良い先生なら、受診してお話することにもとても意義がありますから。

ポッポ URL | 2017/02/02 22:51 [ 編集 ]

No title
私は母と共に渡タイした者ですが、母が生前中、まだらボケで、症状の酷い時入院したら、向精神薬を処方され、相当強い薬だったのか、死人のようになり、身の危険を感じ、強引に退院し、投与を止めたら元気になり、向精神薬とは怖い薬だと初めて知りました。また、それ以降、タイの精神科医を信用しなくなりました。そして、それにも拘わらず、私が不眠症と思った時に、それを服用しようと思ったことがありますが、結局飲まずに終わりました。

BigC URL | 2017/02/12 03:39 [ 編集 ]

No title
> BigCさん
コメント、ありがとうございました。

そうですよね。素人は安易に考えがちですが、向精神薬とは、怖いものなのです。
日本でも、向精神薬を必要以上に飲まされて、状態が悪化している患者は、少なくないようです。
飲まずに済めば、それに越したことはありません。
本当はいけないことをしてしまった私が言うのも何ですが、向精神薬は、状態をキチンと見極めて、正しく使いたいものですね。

ハナさん* URL | 2017/02/12 04:22 [ 編集 ]

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| 2019/12/08 23:45 [ 編集 ]


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rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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