01.22
このキャラが私のイメージですか?──アニメ版『舟を編む』
そして、作中のあるキャラクターは、私のイメージで読んだと教えてくれたのである。
その頃の私は、某有名出版社が発行する人名辞典の校正を、中心となって手がけていた。
毎日毎日、辞典の校正に精魂を傾けている私のあり方が、辞書の編集に打ち込む作中人物に重なったのだという。
その時は、ああそうなのかと、思った程度だった。この作品に興味はあったのだが、映画も小説も、鑑賞する機会はなかった。
だが、昨年の10月から放送されたテレビアニメ版は、タイマー録画で見ることができた。
そして、同僚が私のイメージを重ねていたというキャラクターを、目にするに至った。
それは、以前はパートだったが、子育てを終えてから契約社員となった40代の女性で、非常に有能な人物であるという。
同僚が言っていたのが、このキャラであるのかどうか、アニメでは確信がもてなかった。
だが最近、原作小説を読んだことで、このキャラだと確信した。
無愛想だが、案外、いい人なのかもしれない、という描写が少しあるだけで、それほどエピソードがあるわけではない。
小説のみでは、具体的なイメージを抱きにくい人物なのだ。
それゆえ、同僚が、身近にいた私のイメージを使ったのは、無理からぬことだと感じた。
さて。その、佐々木というキャラクターなのだが。
アニメでは、声を、榊原良子があてているのである。
榊原良子といえば…。
世間一般に対しては、『ナウシカ』のクシャナ役と、説明するのがよいのだろうか。
アニメファンならば、「ガンダム」シリーズのハマーン役や「パトレイバー」シリーズの南雲隊長役の印象が、強いだろう。
何にせよ、有能な大人の女性役が多い声優なのである。
榊原ボイスのおかげで、そのキャラクターの有能度が、何割かアップすると言っても、過言ではない。
『銀河鉄道999 エターナルファンタジー』で、主人公が敵キャラクターを「敵ながらあっぱれな奴らだね」とほめた後に、「私の部下だからな(あっぱれな奴らで当然だ)」というoff セリフが、榊原ボイスで聞こえてくるシーンがある。
その際、「確かにあなたの部下ならば、当然、立派ですよね」と、納得してしまった。
私にとって、榊原良子とは、そういう声優である。
だから。
同僚が私のイメージを重ねたキャラクターの声を、榊原良子があてているというのは、とても光栄なことなのだ。
榊原キャラが、私のイメージですか?
こんな有能そうな人物が、私ですか?
いや。別に、同僚が言っていたのは、そういうことではないのだけれど…。
それは、わかっているけれど。
それでも。何だか、嬉しくなってしまう。
……というような話題で、新年早々、個人的に浮かれている次第である。
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