40年近くかけて神経症性障害を乗り越えたものの、母親の介護で大変な日々の思いを発信しています。アニメの研究による博士号取得は、しばらくお休み。

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拒絶過敏性というもの

最近、精神医学関係でクローズアップされている言葉のひとつに、拒絶過敏性というものがある。

例えば、4月11日に滋賀県彦根市で、19歳の巡査が同僚を射殺した事件についての、こんな文章。
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ちょっとした注意や叱責でも、自分への批判や非難と受け止めて過剰反応することを精神医学では「拒絶過敏性」と呼ぶが、このような傾向が認められる若者が増えている。
(片田珠美「“叱られたことのない人”を叱ると殺される─『間欠爆発症』という凶器を持つ人」http://president.jp/articles/-/24964?page=4&display=b
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この拒絶過敏性は、非定型うつ病の(症状の)特徴として語られることが多い。
例えば、ネット上で簡単に見られるものとしては、以下のような記事がある。
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拒絶過敏性とは、他人の侮蔑的な言動や、軽視、批判に対して極度に敏感になり、ふつうでは考えられないほど激しく反応する症状です。〔略〕

社会生活にも支障が出る重大症状

侮蔑、軽視、批判といっても、これはあくまでも本人がそう解釈するのであって、実際のところは、なんでもないささいなことが多いです。そのごくささいなことを、自分のことを拒否した、批判したと否定的にとらえ、ときには被害妄想的に受け止めて、病的に激しく反応します。具体的には、過剰に落ち込んで、職場や学校を休んでひきこもったり、それ以上傷つくことを恐れて友人や恋人をつくらなくなる、という形をとることもあります。〔略〕

拒絶過敏性のケース例

①「ごほんがかためだったね」という夫のひと言で、バカにされたと怒った妻は、二度とごはんを炊かなくなり、パンン[ママ]やめん類の食事しか出さなくなる。
②自分が提案したプランに、上司から修正が出され、能力を全否定されたと腹を立てた彼は、翌日から会社を休んでしまう。
③父親が娘に、「がんばってるね」と声をかけられた娘は、「いままではダメだったんだ」と思い、「お父さんなんて嫌い」と、すっかりふさぎ込んでしまう。

(「うつ病の症状と治療法」http://www.depression-w.com/rejection-hypersensitivity.html
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あるいは、こんな具体例もある。
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例えば、主治医から「朝早く起きるようにしてください」と指導されたのに、昼前くらいにやっと起きてきた。そこで家族が「今日起きるの遅かったね。明日は早起き頑張ろうね」と軽くアドバイスすると、「家族からダメ人間だとバカにされた!」と過剰に悪い方向にとらえてしまうのです。

もちろんアドバイスした家族に拒絶したつもりも責めたつもりもありません。ただ、今日は失敗しちゃったから明日は先生の指導を守れるようにしようね、と言っただけです。しかし非定型うつ病の患者さんは拒絶過敏性により、悪い方に考えてしまうのです。

(「非定型うつ病の方との接し方で覚えておきたい4つのこと」http://seseragi-mentalclinic.com/atypical-depression-contact/
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ずいぶんと極端な話だと、思われるだろうか。
だが私には、例えば、二度とご飯を炊かなくなった女性のことを笑えない。
私自身、もう二度とゴミ出しはしないと思ってしまう程の、ダメージを受けてしまっているのであるから。この女性の心理が、身につまされて、痛い程わかってしまうから。

「緊急指令!…」の記事を書いてから、私の心が深刻なダメージを受け、「二つできないことを叱るのか…」の記事を書くに至ったのは、この心性ゆえだ。

そしてさらに。
元家庭菜園の草取りで疲れ果て、少し体調も崩しているなか、それでも公言してしまったことを守るために、睡眠時間を削って、深夜に廃プラスチックを指定袋に詰めた。
翌朝、たとえ1袋だけでも集積所に持っていったことで、どうにか約束は守った。案の定、睡眠不足で心身の状態は悪化し、仕事や生活に支障も出たが、それでも構わないと思っていた。

けれど。そのことを報告する記事に対して、1袋でしかないことを云々されてしまっては…。
私のあの夜の努力、必死の思い・苦労を否定されたと感じてしまうのを、止めることはできなかった。

もちろん、それは純粋なアドバイスにすぎず、私を否定する意図などなかったということは、わかっている。頭では、理解している。
その記事に対するナイス!の数を見れば、私の努力が否定されているわけではないことは、確実にわかる。

それでも今は。このダメージをなかったことにはできない。回復には、もうしばらく時間がかかる。

それとともに。
頻発する怒り発作に加え、顕著な拒絶過敏性。私の病気って、これだったのか…とも思い始めているところだ。
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C

omment

No title
ん~、私もそんな感じです。会社で優しい声をかけられても、卑下されたと受け取ってしまいます。一番身近な家族でも、そうなっちゃいます。
そんな私がブログやSNSをして、おかしな話だと自分で思ってますよ。
でも人が嫌いかと言うと、好きなのです。寂しがり屋なのです。
私のことになっちゃいましたね。すみません^^;

ももたろす URL | 2018/06/10 18:23 [ 編集 ]

No title
> ももたろすさん

いえいえ、構いませんよ。
どちらかというと私は、自分のことをあれこれ評されるよりは、ご自身のことを書いていただくコメントの方が、好きです。

心の病気だったりすると、多かれ少なかれ、こういった傾向は、あるのでしょうね。
性格的なものもありますし。

最近は割と、自己肯定感が出てきて、自分に自信を持てるようになって、こういった傾向も、なりをひそめていたのですが。
なんか最近、再燃してしまいました。
コンディションの悪い時だと、本当にダメージになってしまいます。

でも私だって、ブログを止めはしないし、コメント不可にもしない。
ダメージを受けてしまうリスクをおかしても、人とつながりたいわけです。

ハナさん* URL | 2018/06/10 19:48 [ 編集 ]

No title
【ご報告】
件の記事に対するコメント主の方に、この記事のことをお伝えしました。

読んでいただけたようで「真摯に受け止める」という、理解あるお言葉をいただけました。

ハナさん* URL | 2018/06/10 20:21 [ 編集 ]

No title
はじめまして
最近、虐待や新幹線の事件で
加害者が人でなしのように言われますが
社会や心の病いに気づけない人々にも
原因があると思っています。
罪は責めるべきですが
その前に止められることができなかったのかと。
一方的な批判でく
知ること、理解することに
意識できるようになればと思っているときにこの記事に出会い
大変参考になりました。

元気サポーターまんぼう URL | 2018/06/12 00:14 [ 編集 ]

No title
> 元気サポーターまんぼうさん

諸事情により、リコメが遅れてしまい、申し訳ありません。

世間の耳目を集める事件に関し、加害者をただ責めるのではなく、心に適切なサポートが与えられていれば、防げたのではないかと考えること、とても重要だと思います。

よく「虐待の連鎖」ということが言われます。
自分が親にされたことを、自分も子どもにしてしまう。親に正しく愛されたことがないから、子どもの愛し方がわからない。
そうした親は、適切なサポートを受けて、虐待の連鎖を断ち切らなければ、子どもを虐待死させてしまいかねない。
けれど、そうした親が、自らサポートを求めてくることは、多くはないようです。

そして、心の鬱屈が爆発したかのように思われる凶行も。
そうなる前に、心に適切なサポートが与えられていれば、防げたはずです。
けれど、そうした方もまた、自ら他者に心理的な援助を求めることは、決して多くはない。

今の時代、アウトリーチ─サポートを必要としている人を見つけ出し、援助の手を届かせる─の試みが、重要になってくると思います。

ハナさん* URL | 2018/06/17 07:54 [ 編集 ]


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rackback

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プロフィール

ハナさん*

Author:ハナさん*
2019.5.26付けで、Yahoo!ブログから移行してきました。
上記日付より前の記事は、Yahoo!ブログで書かれたものです。

移行から2年経過したのを機に、ブログタイトルを変更いたしました。
あわせて、紹介文も更新。

*代用ゲストブックあり
「カテゴリ」からどうぞ

〔ブログ紹介文〕
誰もが、たやすく発信者となれるネット時代。

文章で社会改革ができると思い込んでいたのは、若さゆえの過ちにすぎない。
けれど。
それでもまだ私は、文章を公表することは、無意味ではないと信じたい。

私がここに記すのは、単なるつぶやきの類いではない。
社会に向かって訴えたいこと、公表する意味があると思えることのみだ。
若い頃のように気負い込んで、大声で叫ぶことはできないけれど。

病気ではなく、障害でもなくても。諸々と生きづらい、おひとりさま介護の日々においても、光を求めて!

〔自己紹介〕
高校1年で発症した神経症性障害(身体表現性障害[身体症状症]その他)を、40年近くかけて乗り越える。
校正者として、非正規雇用勤続30年。数年前から校閲の仕事も行う。

1990年代、森田療法の研究で学士号取得後、カール・ロジャーズの直弟子が講師であるカウンセラー養成講座で単位取得。
地元の民間心理相談機関でセラピストのインターンとなり、各種心理療法を学修するが、自分は援助職には向いていないことを痛感。

アニメーションの研究で修士号取得。
博士課程・単位取得満期退学。
現在、博士論文のテーマを再検討中。専門は、巨大ロボットものの予定。

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