06.10
拒絶過敏性というもの
例えば、4月11日に滋賀県彦根市で、19歳の巡査が同僚を射殺した事件についての、こんな文章。
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ちょっとした注意や叱責でも、自分への批判や非難と受け止めて過剰反応することを精神医学では「拒絶過敏性」と呼ぶが、このような傾向が認められる若者が増えている。
(片田珠美「“叱られたことのない人”を叱ると殺される─『間欠爆発症』という凶器を持つ人」http://president.jp/articles/-/24964?page=4&display=b)
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この拒絶過敏性は、非定型うつ病の(症状の)特徴として語られることが多い。
例えば、ネット上で簡単に見られるものとしては、以下のような記事がある。
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拒絶過敏性とは、他人の侮蔑的な言動や、軽視、批判に対して極度に敏感になり、ふつうでは考えられないほど激しく反応する症状です。〔略〕
社会生活にも支障が出る重大症状
侮蔑、軽視、批判といっても、これはあくまでも本人がそう解釈するのであって、実際のところは、なんでもないささいなことが多いです。そのごくささいなことを、自分のことを拒否した、批判したと否定的にとらえ、ときには被害妄想的に受け止めて、病的に激しく反応します。具体的には、過剰に落ち込んで、職場や学校を休んでひきこもったり、それ以上傷つくことを恐れて友人や恋人をつくらなくなる、という形をとることもあります。〔略〕
拒絶過敏性のケース例
①「ごほんがかためだったね」という夫のひと言で、バカにされたと怒った妻は、二度とごはんを炊かなくなり、パンン[ママ]やめん類の食事しか出さなくなる。
②自分が提案したプランに、上司から修正が出され、能力を全否定されたと腹を立てた彼は、翌日から会社を休んでしまう。
③父親が娘に、「がんばってるね」と声をかけられた娘は、「いままではダメだったんだ」と思い、「お父さんなんて嫌い」と、すっかりふさぎ込んでしまう。
(「うつ病の症状と治療法」http://www.depression-w.com/rejection-hypersensitivity.html)
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あるいは、こんな具体例もある。
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例えば、主治医から「朝早く起きるようにしてください」と指導されたのに、昼前くらいにやっと起きてきた。そこで家族が「今日起きるの遅かったね。明日は早起き頑張ろうね」と軽くアドバイスすると、「家族からダメ人間だとバカにされた!」と過剰に悪い方向にとらえてしまうのです。
もちろんアドバイスした家族に拒絶したつもりも責めたつもりもありません。ただ、今日は失敗しちゃったから明日は先生の指導を守れるようにしようね、と言っただけです。しかし非定型うつ病の患者さんは拒絶過敏性により、悪い方に考えてしまうのです。
(「非定型うつ病の方との接し方で覚えておきたい4つのこと」http://seseragi-mentalclinic.com/atypical-depression-contact/)
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ずいぶんと極端な話だと、思われるだろうか。
だが私には、例えば、二度とご飯を炊かなくなった女性のことを笑えない。
私自身、もう二度とゴミ出しはしないと思ってしまう程の、ダメージを受けてしまっているのであるから。この女性の心理が、身につまされて、痛い程わかってしまうから。
「緊急指令!…」の記事を書いてから、私の心が深刻なダメージを受け、「二つできないことを叱るのか…」の記事を書くに至ったのは、この心性ゆえだ。
そしてさらに。
元家庭菜園の草取りで疲れ果て、少し体調も崩しているなか、それでも公言してしまったことを守るために、睡眠時間を削って、深夜に廃プラスチックを指定袋に詰めた。
翌朝、たとえ1袋だけでも集積所に持っていったことで、どうにか約束は守った。案の定、睡眠不足で心身の状態は悪化し、仕事や生活に支障も出たが、それでも構わないと思っていた。
けれど。そのことを報告する記事に対して、1袋でしかないことを云々されてしまっては…。
私のあの夜の努力、必死の思い・苦労を否定されたと感じてしまうのを、止めることはできなかった。
もちろん、それは純粋なアドバイスにすぎず、私を否定する意図などなかったということは、わかっている。頭では、理解している。
その記事に対するナイス!の数を見れば、私の努力が否定されているわけではないことは、確実にわかる。
それでも今は。このダメージをなかったことにはできない。回復には、もうしばらく時間がかかる。
それとともに。
頻発する怒り発作に加え、顕著な拒絶過敏性。私の病気って、これだったのか…とも思い始めているところだ。
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